渡辺努著
世界中で起きているインフレ。
コロナ渦でおきた急性インフレの原因は一体、、、
目次
本の要点
低インフレの各国
リーマンショック以後からコロナウイルスが流行する以前まで、世界各国では低インフレが続いていました。筆者はこの要因を主に三つあると考えました。
- グローバル化 より安い生産力を求め外国に行けない企業が原価の高騰などにより高めの商品価格にして、他社の製品に変わられ商品価格が上がりにくくなった
- 少子高齢化 働き手の不足でGDPと所得の減少に備えた貯蓄による消費の減少
- 技術革新の鈍化、生産力の停滞 目新しい革新もあるが経済全体としては生産性やGDPの伸びは鈍化
急激なインフレとウクライナ戦争の関係は!?
普通に考えれば2022年に始まったウクライナ戦争がインフレの原因だと考えるかもしれません。
確かに原油や小麦のモノ不足による価格の上昇はありました。しかし、これは本当の要となる原因ではありませんでした。
インフレの本当の原因は2021年にありました。
インフレの原因はコロナのパンデミックだった!
コロナの流行は2020年から始まりました。であれば2021年になって、なぜインフレが始まったのか。
それは供給量を超える需要にありました。コロナにより、多くの産業は一時的に停止し供給量が減少した中、ステイホームにより逆に物の需要がアップしたことが原因です。
コロナが経済に与えた変化
- 脱グローバル化 グローバルな体制はコロナのような貿易などの物流を妨げる事態に陥った場合、企業による商品の組立てが困難になることがあるため
- 労働者の職場離れ コロナの影響でステイホームをするようになった事により、職場に復帰したい人が減少した
- モノ消費量の増加 ステイホームによりレストラン等のサービスを受けずらくなり消費者の需要はモノに移動した
日本特有の二つの問題
日本はもともと世界でも稀なデフレという問題を抱えていました。
しかし、そこに急性のインフレが加わり、日本は不況にも関わらず物価が上昇する事態に陥りました。
日本の戦い方
筆者はインフレする一つの要因にその国の国民のインフレ予測を挙げています。インフレ予測が高ければインフレ率も上がり、インフレ予測が低ければインフレ率も下がるという理論です。
日本の場合はこのインフレ予測が低い傾向にあり、この予測を高くすることにより日本はデフレから脱却することができます。
レヴュー
今回は渡辺努さんの著書『世界インフレの謎』を要約させていただきました。
日本=デフレというイメージでしたが、そこに更にインフレが加っていたということには驚かされました。
この本は主に数年前に世界で起きたインフレの謎について追求されていて、それを基にこれからの世界経済に迫るものです。
今回の内容は本のほんの一部に過ぎません。世界経済により興味のある人におすすめです!興味を持った方は是非ご購入下さい!