
現代のお金とその価値
私たちは毎日の生活で当たり前のようにお金を使っています。しかし、一度はこんな疑問を持ったことがあるのではないでしょうか?
「なぜ円というお金が使われているのか?」
世界中の法定通貨
世界を見渡すと、どの国にも「法定通貨」と呼ばれるお金が存在します。法定通貨とは、各国の政府や中央銀行が発行し、その価値を保証している通貨のことです。
例えば、日本では「円」、アメリカでは「ドル」、中国では「元」が法定通貨として使われています。これらはそれぞれの国の中央銀行が発行し、日本の場合は「日本銀行(日銀)」が管理しています。
法定通貨は希少なのか?
法定通貨と聞くと、紙幣や硬貨を思い浮かべる人がほとんどでしょう。しかし、昔は貝殻や塩などが通貨として使われていました。なぜ貝殻が通貨になり得たのでしょうか?
それは、貝殻が希少だったからです。希少性があるものは価値を持ちます。例えば、金(ゴールド)もその希少性ゆえに高い価値がついています。一方で、石ころのようにどこにでもあるものは価値がつきません。
つまり、昔のお金は「希少性」によって価値が保証されていたのです。
現代の法定通貨に希少性はあるのか?
「昔のお金に希少性があるなら、現代の法定通貨にも希少性があるのでは?」と思うかもしれません。しかし、それは誤解です。
法定通貨は基本的に紙幣です。紙幣とは、単なる紙にデザインが印刷されたものにすぎません。中央銀行が新たに発行しようと思えば、いくらでも作り出すことができます。その結果、大量に発行されると通貨の価値が下がる(インフレが起こる)可能性があります。
つまり、現代の法定通貨には希少性がないのです。
それでも法定通貨が使われる理由
では、なぜ希少性のない法定通貨が通貨として通用しているのでしょうか?
その理由は、政府がその価値を保証しているからです。例えば、日本政府が日本円の価値を保証しているため、日本国内では円が問題なく使えます。しかし、日本円をアメリカに持って行っても、そのままでは使えません。なぜなら、アメリカ政府は円の価値を保証していないからです。
政府がなくなったらどうなる?
仮に日本政府が崩壊した場合、日本円の価値はどうなるでしょうか?
日本政府がなくなれば、円を保証する存在も消えるため、日本円は単なる紙切れとなってしまいます。どの国でも使えなくなり、法定通貨としての役割を失うのです。
一方で、仮に日本の法定通貨が「金(ゴールド)」だったとすると、日本政府が崩壊しても金の価値はなくなりません。なぜなら、金は世界的に希少性が認められ、その価値が保証されているからです。
まとめ
今回は、法定通貨の価値と希少性について解説しました。
法定通貨は政府の保証によって価値を持っていますが、希少性という観点では保証されていません。そのため、政府の信用が失われると法定通貨の価値も失われるのです。
この点を踏まえると、希少性を持つ資産である暗号資産(仮想通貨)などが、法定通貨よりも優れた価値の保存手段になる可能性があります。将来的なお金のあり方について考える際、希少性という視点を持つことが非常に重要です。